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こんな1on1ミーティングは失敗する 

2019.08.21

1on1のポイント

こんにちは、白潟敏朗です。

このような「1on1ミーティング」は失敗するについて解説します。

こんな1on1ミーティングは失敗する

最近流行っている上司と部下による1対1の面談である1on1ミーティングは、部下とのコミュニケーション改善や上司と部下の相互理解が深まる、部下が成長し自走する等多くのメリット(詳細は、こちら)があります。

しかし、進め方ややり方を間違えるとメリットがでないどころか、社員のモチベーションが下がったり求職や退職が増えたりしてしまいます。

ここでは、そのような1on1ミーティングの失敗例を紹介します。

失敗① いきなり全社で導入する

失敗② ダメな上司が1on1ミーティングをやる

失敗③ 経営陣が1on1ミーティングをやらない

失敗④ ねらいを決めずに始める

失敗⑤ ルールを決めずに始める

失敗⑥ やりっぱなし

まずは、失敗①から解説していきます。

 

いきなり全上司でやらない!

いきなり1on1ミーティングを全社で導入すると失敗します。理由は以下の2つです。

理由①:ダメな上司がいる部門はうまくいかないから(詳しくは失敗②で解説します)

理由②:上手くいく仕組みができていない状況で全社拡大するから

ダメな上司(1on1ミーティングをやる条件をクリアしていない上司)が1on1ミーティングをやると部下のモチベーションが下がります。

そのため、いきなり全社で1on1ミーティングをやってはいけません。

まずは小さな成功をし、徐々に拡大し最終的に全社への導入につなげていくアプローチがお勧めです。

具体的には、以下の2つの条件をクリアする上司がいる部門から始めます。

 ・  部下から信頼されている

 ・  部下の話を最後まで聴ける(部下の話をさえぎらない)

その後、上記2つの条件をクリアする上司がいる部門を拡大していきます。

上記2つの条件をクリアしていない上司は、信頼を得るための努力やアクティブリスニング(積極的傾聴)が身につくトレーニングや研修を実施していき、2つの条件をクリアしていきます。

その過程の中で、どうしても部下から信頼を得られない上司は部下をつけない等の対応が必要になります。

上手くいく仕組みがないのに全社でやらない!

理由②で紹介した通り、1on1ミーティングが上手くまわる仕組みが出来る前に全社導入をするとうまくいきません。

以下に示すような課題への対応方針が決まっていないと、現場は混乱し不安を感じるだけで当初期待していた効果もでません。

・ 部下に○○と聴かれて困った

・ 部下に『特に話すことがありません』と言われ、焦ってしまった

・ 5分で1on1ミーティングが終わってしまった

・ 部下が不平・不満ばかり言っている

・ 自分では解決できない相談がきた

・ 部下のメンタルの調子が良くない時の対応がわからなかった

最初の3ヵ月から6ヵ月は、特定部門を選びパイロットプロジェクト方式で進めましょう。

1on1ミーティング実施3回で1on1ミーティングが上手くいく仕組みを完成させます。

そのために、1on1ミーティングを実施した全員の上司と人事部門で3回のアセスメント(評価)ミーティングをします。

1回目は実施した上での良かった点と課題を共有し、課題の解決策を全員で考えます。

2回目は、解決策実行後の効果と新たな課題を共有し解決策をアップデートします。新たな課題も発生するので、その解決策も併せて考え決めます。

3回目で大きな課題は解決でき、安定稼働できる状況になってきます。この段階で1on1ミーティングが上手くいく仕組みが完成しています。

1on1ミーティングが上手くいく仕組みができたら、部下のアセスメント(評価)を実施します。社員に1on1ミーティングのアンケートをとり、その結果で1on1ミーティングのアップデートをします。

この段階までくると、1on1ミーティングが上手くいく仕組みは最終形がほぼ完成し、良い効果が期待できます。

ここから、1on1ミーティングの実施部門を拡大し全社への展開を進めていきます。

いかがでしたでしょうか?

イメージが湧いたと思いますが、くれぐれも1on1ミーティングをいきなり全社へ導入することはやめてください。リスクが高すぎます。

ご紹介した方法で進めていけば失敗せず、成功する1on1ミーティングが導入できます。

 

部下から信頼されてない上司は最悪!

つぎに、失敗②を解説します。

ダメな上司(1on1ミーティングをやる条件をクリアしていない上司)が1on1ミーティングをやると、必ず失敗します。

ここでいうダメな上司とは以下のような上司のことです。

・  部下から信頼されていない

・  部下の話を最後まで聴けない

・  部下の話を最後まで聴くが、聴いた直後に否定する

・  部下の話を聴いた後に、自分のおもいや考えを押しつける

当たり前のことですが、信頼していない上司に話を聴いてもらいたい部下はいません。

会社の指示でそのような上司に1on1ミーティングをしてもらう部下は全員不幸です。

モチベーションが下がるだけでなく、1on1ミーティングの前日には憂鬱になり会社を休んでしまうかもしれません。更にひどくなれば、部下はメンタルがやられたり退職してしまう可能性もあります。

全社で1on1ミーティングを導入すると、そのような上司に1on1ミーティングをやらせることになってしまうので、絶対避けなければいけません。

上司が部下の話を傾聴する力(アクティブリスニング力)がない場合も、部下は1on1ミーティングをやるたびに、モチベーションが下がるので先ほどの信頼がない上司と同じような状況になるリスクがあります。

ではどうすればいいのか?

結論から言うと、まずは部下から信頼されており、部下の話を傾聴できる上司から1on1ミーティングを始めます。

具体的には、部下からの信頼を失っていないかどうかの部下評価(部下が上司を評価)をします。

以下の20個の項目について部下評価します。

評価基準は「よくやっている」、「たまにやっている」、「やっていない」の3段階評価です。

1 部下の悪口、陰口を言う

2 自分の間違いを部下に認めない

3 部下に嘘をつく

4 特定の部下をえこひいきする

5 言う事とやる事がちがう

6 部下のせいにする

7 部下の手柄を横取りする

8 トラブル時に逃げる

9 差別的な発言をする

10 部下との秘密を言ってしまう

11 部下との約束を忘れてしまう 

12 若いころの自分と部下を比較し怒ってしまう

13 部下の話を最後まで聴かない

14 恩着せがましい

15 部下の目を見て話さない

16 社会規範、行動指針、社内ルールを守らない

17 上司と部下で態度を変える

18 部下に愚痴、不平、不満を言う

19 知らないことを「知らない」と部下に言えない

20 部下に威張る

部下評価の結果で1から20の項目で「よくやっている」が0個、「たまにやっている」が4個以下の上司は部下からの信頼度が極めて高い上司です。

最初から1on1ミーティングをやってもらいます。

部下評価の結果で1から10の項目で「よくやっている」が1個以上、または11から20の項目で「よくやっている」が2個以上の上司には、当分の間1on1ミーティングをやらせない方がいいです。

経営陣や人事部がその上司とじっくり面談し、部下から信頼を失っていることを本人に理解してもらいます。

その後、部下との信頼関係を回復する方法を話し合い、回復可能であれば日々精進してもらいます。

回復できそうもない上司の場合は異動や降格をします。

 

部下の話をさえぎる上司も最悪!

前述した信頼関係と同様に、部下の話を傾聴する力(アクティブリスニング力)の部下評価も実施します。

具体的には以下に示す10個の項目について評価します。

評価基準は「できていない」、「たまにできている」、「常にできている」の3段階評価です。

1  自分の話を聴く時、自分の目を見、自分の方に体を向けていますか?

2  自分の話を聴く時、うなずいていますか?

3  自分の話を聴く時、相づちを打っていますか?

4  自分の話を聴く時にメモを取っていますか?

5  自分の話をさえぎらずに最後まで理解しようと聴いていますか?

6  自分の話を聴いた後、同じ言葉を繰り返していますか?

7  自分がだまりこんだり、なかなか答えがでない時に沈黙できていますか?

8  自分の話を聴いた直後、間違えた自分の話をすぐ否定しないですか?

9  自分の話を聴いた後、上司の考えを押しつけていないですか?

10  自分が話しやすい雰囲気をつくっていますか?

部下評価の結果で5、8、9の項目で「できていない」が0個の上司は部下の話を傾聴する力(アクティブリスニング力)が高い上司です。

最初から1on1ミーティングをやってもらいます。

部下評価の結果で5、8、9の項目で「できていない」が1個以上ある上司には、前述した信頼関係の部下評価と同様に、経営陣や人事部が上司とじっくり面談し、アクティブリスニング力が欠落していることを本人に理解してもらいます。

すぐに1on1ミーティングをやらせずに、アクティブリスニング力をつける研修とトレーニングをします。

アクティブリスニング力がついてきたことろで1on1ミーティングを実施してもらいます。

 

経営陣がやらないと上司もやらない!

つぎに、失敗③を解説します。

経営陣が1on1ミーティングをやらなと、上司も『どうして、忙しい時に我々だけやらせて経営陣はやらないのか?』と感じてしまい、1on1ミーティングをやる気持ちがわいてきません。

経営陣からすると『え!今さらおれがやるの?』、『幹部とはかなり話もしているし、30分も話すことないなぁ?』等の反対意見もでると思います。

ただ、以下に示す多くの効果も得られるのでまずは経営陣からやってみましょう。

・ 幹部が人に話をじっくり聴いてもらう傾聴の効果を体験できる。

・ 幹部が日頃伝えられなかった自分のおもいや考えを経営陣に伝えられる。

・ 経営会議ではわからなかった、経営陣と幹部の認識のズレをお互い確認できる。

・ 経営陣が幹部との目線のギャップを把握できる。

・ 自分のために貴重な時間を確保してくれた経営陣に、幹部が感謝し経営陣も少し嬉しくなる。

・ 幹部が1on1ミーティングをやらない言い訳ができない環境になる。

・ 幹部が1on1ミーティングをする時に、経営陣の話の聴き方・質問の仕方などを部下へ伝承できる。

やり方としては、社長だけはやらずに副社長や専務・常務が代行する。

週1回ではなく隔週に1回、月に1回など開催頻度の調整。

開催時間は1時間ではなく30分にする。

などの工夫により経営陣の負荷は減らせます。まずは、経営陣から幹部に1on1ミーティングを始めましょう。

  

いかがでしたでしょうか?

最近、注目を浴びている1on1ミーティング。

流行っているからと気軽に始めてしまうと痛い目にあってしまいます。

紹介した1on1ミーティングの失敗例を反面教師にし1on1ミーティングを実施して頂ければ幸いです。

失敗④以降については、次回以降のコラムにて紹介していきます。